パートで働きたい看護師が就職活動を始めるときに、まず必要になるのが履歴書です。
履歴書は面接と同じくらい採用の成否に影響するので、気合を入れて準備しておくことが必要です。
しかしパートとして働いたことがなかったり、初めての転職の場合には履歴書の準備段階でつまづいてしまうかもしれません。
- パートで働く場合の履歴書の書き方が分からない
- パートと常勤の看護師では履歴書の書き方が違うの?
- 志望動機をどのように書いたら相手に好感をもたれる?
このような悩みや疑問を抱えている看護師の方に、パート向けの履歴書の書き方のポイントや志望動機の例文を紹介していきます。
好印象をもたれる履歴書を準備して、希望する職場への採用を目指しましょう!
パート看護師の履歴書の書き方
- パートと常勤では書き方が違う部分がある
- 志望動機はポジティブな表現で書く
- 採用者側にメリットがあることを伝える
パートと常勤では書き方が違う部分がある
パートと常勤で履歴書の書き方が違う部分は「志望動機」と「本人希望欄」です。
その他の項目の、氏名、生年月日と年齢、住所・電話番号、学歴・職歴、資格・免許などは、パートと常勤で内容が変わるものではありません。
まず志望動機では、フルタイムでは働けない理由、つまり常勤ではなくパートで働きたい理由がわかるようにしておきます。
もし採用者が常勤で働いてほしいと思っている場合には、パートではなく常勤での採用を打診される可能性があるので理由を明確に示しておきましょう。
また本人希望欄には、勤務可能な時間や曜日、扶養内で働きたいなど、これだけは譲れないという条件を厳選して記入しておきます。
常勤であれば基本的に雇用条件は決まっていますが、パートは働き方に柔軟性があるので、あとから違う条件を提示されないように最初にきちんと明記しておくことが大切です。
「最初の話と違う」というのはありがちなトラブルです
志望動機と本人希望欄の書き方の詳細については後述します。
志望動機はポジティブな表現で書く
ブランクがあったり看護師経験が少ない人は、不安や自信のなさからネガティブな思考になりがちで、それは履歴書の文章にも反映されてしまいます。
でも採用する側からすれば、ネガティブな人よりもポジティブな人を採用したいと考えます。
ブランクや看護師経験などは変えようがないことなので、働きたい理由や熱意を相手に伝えることに重点をおき、志望動機の文章はポジティブな、つまり前向きな表現を意識しましょう。
志望動機は「子どもの学費のためにお金が必要」といったシンプルな理由よりも「大学進学を控えている子どもの学費のために、今後は継続的にお金が必要」といった具体的な理由を書きます。
同時に長く働く意思があることも伝わるので、採用者側も「すぐ辞めそうにない」と安心するので採用されやすくなります。
「働かなくてはいけない」ではなく「働きたい」を前面に出していきましょう
ちなみに志望動機は200~300文字くらいで書くと、長過ぎず短過ぎずで読みやすく、読む側にも好印象です。
採用者側にメリットがあることを伝える
志望先を選んだ理由がたとえば「自宅から近い」「勤務条件が合う」といった理由の場合、そのまま伝えるよりも
- 自宅から近いので、今まで通勤にかかっていた時間を働く時間にあてたい
- 自分の希望する勤務条件に合っているので、提示された条件で働ける
のように伝えると、採用側に雇うメリットを感じてもらいやすくなります。
また自己PRすることも大事で、「自己PRできることなんて何もない」と思われる方もいるでしょうが、自己PRできるのは自分の強みを理解しているということです。
どのような職場で働いたことがあるのか、どのようなスキルを身につけたのか、どのような役割を担っていたのか、今までの経験で得たものはすべて自分の強みになっているはずです。
看護師としての強みがなければ看護師という枠にとらわれず、コミュニケーション能力が高い、責任感が強い、行動力がある、協調性があるなど、仕事上で活かせる長所をPRしてください。
「私を雇えばこんなに良いことがありますよ」と相手にしっかりPRして「この人を雇いたい」と思ってもらいましょう
パート看護師の志望動機の例文
パート看護師向けの志望動機に応じた例文を3つ紹介します。
前述したように文字数は200~300文字くらいがベストなので、その範囲内で作成しています。
子育て中の場合の例文
出産を機に3年前に退職しましたが、子どもを預けられる保育園が見つかり、家族の理解と協力も得られたので看護師として再び働きたいと考えています。
貴院は地域医療に貢献されており、私の祖母も以前にお世話になりましたが、退院後はスムーズに在宅生活に戻ることができ、私が地域医療に興味を持つきっかけとなりました。
平日は保育園の送迎があり、フルタイムで働くことは難しいためパート勤務を希望します。
土日祝日は主人が育児を担当してくれるので勤務が可能です。
貴院ではパートや子育て中の看護師が多く、急な休みにも柔軟に対応いただけると伺っており、仕事と子育てを両立しながら働けると考え志望しました。(288文字)
ブランクがある場合の例文
結婚を機に退職し10年ほど専業主婦として家事と育児に専念してきましたが、子どもが大きくなり自分の時間が持てるようになったこと、また子どもの塾と進学費用で継続的にお金が必要になるため看護師への復職を決意しました。
先日見学に伺った際の、患者さんの穏やかな表情と職員の方の丁寧な声掛けが印象に残っており、貴院なら私の希望する患者さんに寄り添った看護ができると考えています。
貴院では復職のサポート体制が整っており、また過去に勤めた緩和病棟での経験も活かせると思い志望しました。
ブランク期間が長いため、まずは週3~4日の5時間勤務から始めて将来的には勤務日数・時間ともに増やしていくつもりです。(292文字)
将来的に正社員で働きたい場合の例文
現在はクリニックでパート看護師として働いていますが、子どもが高校を卒業する2年後からは常勤として働きたいと思っています。
しかし現在の職場には常勤の雇用がなく提供できる看護も限られているため、今後の働き方とキャリアアップを考えて退職を決意しました。
貴院ではパートから正社員の登用があり、中途採用者の教育にも力を入れておられることから志望いたしました。
自宅からの距離も近く通いやすいため、長く勤めていきたいと考えています。(209文字)
パート看護師が本人希望欄に書くべきこと
履歴書の本人希望欄は、入職前に採用側へ伝えておくべきこれだけは譲れないという条件について書く項目です。
勤務時間や曜日、扶養内で働きたい、社会保険に加入したい、入職時期、希望する部署などを書くことが一般的には多いでしょう。
採用後に条件が合わないという事態を避けるためにも、採用前にお互いの条件をすり合わせておく必要があります。
その条件を希望する理由も書き添えておきましょう
書き方ひとつにしても、「○○はできない」という否定形よりも「○○はできます」「○○を希望します」という肯定形の方が前向きな好印象を与えることができます。
給与や福利厚生などの待遇面はとても重要で気になる部分ですが、書類選考の時点で条件を書くと図々しいと悪い印象をもたれかねないので、面接のときに口頭で確認するようにしてください。
病院のような複数の部署がある職場の場合、病院側の都合を考慮して配属先の希望は3つまでに留めておきましょう。
履歴書作成のための共通ルール
パートも常勤も関係なく、履歴書を準備するにあたり必要な共通のルールについて、かんたんに説明しますね。
履歴書を書く前に準備するもの
写真
写真のサイズは一般的に縦4cm×横3cmで、3ヶ月以内に撮影したものを使用。裏には氏名を書いてのり付けします。
背景色は白・青・グレー、胸から上の正面のアングルで、ジャケット・シャツを着用。
歯は見えない程度に口角を上げて、前髪は目にかからず顔が髪で隠れないようにし、メガネははずします。
きちんとした履歴書写真だと、仕事もきちんとできる人という印象をもってもらえます
黒色のボールペン
手書きの場合は黒のボールペンを使用し、消せるタイプのボールペンは使いません。
おすすめは油性かゲルインクのボールペンで、滲みにくく色濃く書けるというメリットがあります。
芯の太さは0.7mmか0.5mmのものが仕事上で一般的に使われており、履歴書にも適した太さです。
履歴書
履歴書のサイズには、A4(A3二つ折り)とB5(B4二つ折り)の2つがあり、どちらのサイズを利用しても問題ありません。
採用者側から履歴書のサイズを指定される場合もあるので、その際は指定のサイズの履歴書を使用してください。
履歴書には、学歴・職歴欄の枠が多い、志望動機や本人希望の記入スペースが広いなど、いろいろなタイプのものがありますので、自分が相手に伝えたい項目をしっかり記入できるものを選びましょう。
パート用の履歴書では、希望勤務時間などを記入する欄があったり、全体的に記入項目が少なく、志望動機や本人希望の欄のスペースも小さめになっています。
履歴書は書き損じたときのために余分に準備しておいてください
封筒
郵送の場合はもちろんですが、持参であっても履歴書は封筒に入れて提出します。
封筒は無地であれば白色でも茶色でも問題ありませんが、茶色は事務的な印象を与えたり他の郵便物に紛れやすいため、白色の封筒の方が無難です。
履歴書に折り目や汚れがつかないように、クリアファイルに入れてから封筒に入れます。
封筒のサイズは履歴書を3つ折りや4つ折りにしなくて良いようにA4やB5相当サイズにしてください。
履歴書の書き方のポイント
学歴と職歴は一つの記入欄になっていることが多く、先に学歴から記入します。
最終学歴が高校以上であれば、記入する学歴は「○○高等学校 卒業」からで良く、次に看護専門学校や看護大学などの学歴が続き、その後に職歴を記入する流れになります。
学歴・職歴は上から古い順に記入していき、学校・会社(病院など)名は略さずに正式名称で記入してください。
職歴が多くて履歴書に書ききれないときには以下のような方法もあります。
- 職歴の欄が広い履歴書を使用
- 入職と退職を一行にまとめる
- 職歴の詳細は職務経歴書に書く
過去にもパートとして働いたことがある場合、職歴の欄にその旨がわかるように記入しておきます。
例:○○病院 入職(パートタイム)
ブランクが長い場合、採用者としてはその期間何をしていたのかが気になるので、自己PR欄に理由(専業主婦や育児、介護など)を補足しておくと良いです。
履歴書に使う年号は、西暦(例:2024年)でも和暦(例:令和)のどちらでも良いですが、履歴書内の年号はすべて統一しましょう。
履歴書の完成後に行うこと
日付を入れる
日付欄には、持参する場合は面接当日、郵送なら投函日の日付を記入します。
空白の有無と誤字・脱字の確認
履歴書にある項目は空白にしないことが原則なので、たとえば資格がない場合は「該当なし」と書いておけば記入漏れでないことを理解してもらえます。
完成した履歴書に誤字・脱字を見つけたら、新しい履歴書を準備してすべて書き直します。
一部分だけ修正液などで修正することはNGなので、たとえ一文字でも書き間違えたら面倒でも全部書き直してください。
履歴書をコピーしておく
面接時には履歴書の内容をもとに質問されることが多いため、書いた内容を忘れないために必ずコピーをとっておきましょう。
履歴書に書いた内容と質問に対する回答が矛盾していると、不信感をもたれてしまいます。
特に志望動機や本人希望の内容については暗記しておき、スラスラと回答できるようにしてください。
提出方法の確認
履歴書の提出は志望先が指定する方法で行いますが、面接時に持参するか面接前に郵送することがほとんどです。
持参する場合、履歴書はクリアファイルに挟んだうえで封筒に入れておきます。
郵送の場合には、履歴書をクリアファイルに挟み封筒に入れるのは同様ですが、送付状(書類を送る際のあいさつ状)も同封します。
送付状はあくまでマナー的なものなので、入れ忘れても選考にマイナスになることはありません
パート看護師の私が履歴書を書いたとき
私はパート看護師としての転職経験が2回ありますが、その際の履歴書作成はどちらもパソコンで行いました。
web上には様々な履歴書のテンプレートがあり、自分の転職用途に応じたものを選んでダウンロードし、あとは必要項目を入力するだけで完成するのでとてもかんたんです。
何回も書き損じて予備の履歴書が足りなくなるような心配がなく、あとから修正したい箇所が出てきてもその部分だけを入力し直すだけで済みます。
以下のサイトではパート向けの履歴書のテンプレートを無料でダウンロードできるのでぜひ活用してくださいね。
参考:タウンワークマガジン:職歴で選べる履歴書の無料ダウンロード
志望動機や本人希望については、web上で参考になる文章を探したり、利用していた転職サイトの担当コンサルタントからアドバイスを受けながら考えました。
履歴書の準備など、ひとりで転職活動を頑張ることに行き詰まりを感じている人は、転職サイトの利用をおすすめします。
転職サイトでは転職先の紹介はもちろんのこと、担当コンサルタントから履歴書作成のアドバイスがもらえたり、面接対策や面接時の同行などのサポートも受けられます。
履歴書は転職の成否に大きく影響するからこそ、プロの立場から指導してもらえるのは大きなメリットです
まとめ
今回の記事では、パート看護師向けの履歴書の書き方のポイントや志望動機の例文などについて紹介しました。
履歴書は採用の成否に影響するので、決して手を抜いてはいけません。
- パートと常勤では書き方が違う部分がある
- 志望動機はポジティブな表現で書く
- 採用者側にメリットがあることを伝える
パート看護師は特に「志望動機」と「本人希望欄」をきちんと記入することが重要です。
志望動機については、パートで働きたい理由や熱意、自分の強みを伝えることを意識してください。
例文を3つ紹介していますので参考になればと思います。
本人希望欄は、これだけは譲れないという条件のみ記入し、その条件を希望する理由も書き添えておきましょう。
給与や福利厚生などの待遇面は書類選考の段階ではなく、面接のときに口頭で確認するようにしてくださいね。
「ぜひ採用したい」と思われる魅力的な履歴書を作り、志望先の採用を手に入れましょう!
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