50代看護師は何年までのブランクなら働ける?|復職しやすい職場と働き方のコツ

  • ブランクがある50代でも働きやすい職場を知りたい
  • 看護師はブランクがあると採用されにくい?
  • ブランクが長いので仕事についていけないかも…

50代になって看護師に復帰したいと考えたとき、ブランクが長いほど不安は大きくなります。

看護師免許には期限や更新がないので、何年のブランクがあっても何歳であろうと、採用してくれる職場があれば働くことができます。

とはいえブランクが長くなると、復帰するときのハードルが高くなるのは確かであり、ましてや50代という年齢はさらにハードルを高くしてしまうでしょう。

この記事では、ブランクがある50代看護師が復職しやすい職場や働き方、また復職するときの不安や復職に失敗しないためのコツについてもお伝えします。

ハナ☆ハナ

私の職場(特養)には10年以上のブランクを経て復職した50代・70代の看護師がいます!

目次

50代看護師のブランクは何年でも働ける

冒頭でも述べたとおり、何年のブランクがあっても復職することは可能です。

看護師免許は自動車免許とは違い、期限や更新が必要ない生涯有効な免許です。

もし数年ぶりに車を運転する場合にはペーパードライバー講習を受けたり、免許をもった人に指導をしてもらいながら徐々に慣らして感覚を取り戻していくと思いますが、ブランクのある看護師も同じと考えてください。

50代看護師は記憶力や体力が低下しているので、仕事を覚えるのに時間がかかったり長時間の立ち仕事がツライと感じるでしょうが、時間をかけて慣れていくしかありません。

ハナ☆ハナ

すぐにブランク前と同じようには働けないと思っておきましょう

同じ50代でもブランクのない看護師よりも就職は不利になりますが、職場選びや働き方次第で活躍できる場所はたくさんあるので、ブランクを理由にあきらめずに就職活動を進めていきましょう。

ブランクのある50代看護師が復職しやすい職場

ブランク前は急性期病棟で高度な医療機器を使いこなし、毎日のように緊急対応や残業に追われていた人でも、50代で復職する際にそのような働き方を選ぶ人はいないでしょう。

  • 高い看護スキルが求められない
  • ルーティン業務がメイン
  • 残業が少ない
  • 体力を消耗しない

きっとこのような職場で働きたいと考えるはずです。

ハナ☆ハナ

最初は無理せず、ゆっくりと仕事に慣れて感覚を取り戻していきましょう

ブランクがある50代看護師が復職しやすい職場
  • 療養病棟
  • クリニック・病院の外来
  • 訪問看護ステーション
  • 介護施設
  • デイサービス・デイケア
  • 検診センター
  • 保育園

療養病棟

状態が安定した患者が入院する病棟で、入退院や医療行為は一般病棟に比べると少なく、ルーティン業務が多いので仕事内容を覚えやすいでしょう。

3~6ヶ月くらいの長期入院の方が多いので患者にゆっくりと関わることができ、看護師の年齢層も高めなので同世代の看護師と一緒にゆったりと働けます。

しかし一般病棟に比べると看護業務よりも介護業務が多いので、意外と体力が求められる点は注意しておきましょう。

ハナ☆ハナ

イレギュラーなことが発生しにくいため残業が少ないのも大きなメリットです

クリニック・病院の外来

休日や勤務形態が固定しているので、生活リズムが整いやすく、あまり体力を必要としないことがメリットです。

診療科目によって求められる看護スキルは異なりますが、採血や点滴など自信がないスキルがあるなら、少しずつ経験させてもらえるかを確認しておきましょう。

スタッフが少人数のため一人あたりの業務量が多く、即戦力として働けることを期待されるので、ゆっくりと仕事を教わりながら覚えいく余裕はないかもしれません。

クリニックでは診療の補助以外にも受付や清掃、備品整理などの幅広い業務を行う場合があるので、看護業務以外をしたくない人には病院の外来をおすすめします。

訪問看護ステーション

訪問看護の利用者は病状が安定している方がほとんどで、病院に比べると医療的なケアは少ないものの入浴や排泄介助などの体力が必要な業務が多くあり、それを訪問時に一人でこなすので結構大変です。

一人での訪問や夜間・休日のオンコールがあるため、最初は不安やストレスを感じますが、徐々に慣れていきますし、対応に困ったときには他の看護師や主治医に相談できるので心配はいりません。

基本的に一人で訪問するので、訪問時間の制約はあるものの、自分のペースで患者にしっかり向き合った看護ができます。

ハナ☆ハナ

訪問看護ステーションでの勤務経験がありますが、ブランクのある40・50代の人が多くいました

介護施設

介護施設の看護師の主な役割は入居者の健康管理で、医療行為は施設で対応できる胃ろう管理や喀痰吸引、褥瘡処置などの限られたものになります。

基本的に医師は常駐しておらず、看取りや急変時の対応も看護師の重要な役割となるため、救急搬送などの医療的な判断を求められることがあります。

また夜勤がない場合、夜間はオンコール体制で対応することが一般的です。

ハナ☆ハナ

介護業務は介護士が行うので、体力的にはかなり楽です

デイサービス・デイケア

介護施設と同様に利用者の健康管理が主な役割であり、在宅で生活している方が対象のサービスなので、ほとんどがお元気な高齢者で医療処置が必要な方は少数です。

看護よりも介護を求められる場面が多いので、看護業務をしたいと思う人には不向きでしょう。

日勤のみの勤務形態なので夜勤やオンコールによるストレスがなく、規則正しい生活が送れるのは大きなメリットです。

ハナ☆ハナ

デイケア勤務では看護スキルを活かす機会が少ないので、物足りなさを感じました

健診センター

健診センターでは、健康な人を対象に健康診断や人間ドックを行っています。

看護師は採血業務を担当することが多いですが、他に視力・聴力検査、尿検査、心電図検査、身長・体重測定などを行う場合もあります。

基本的にすべてルーティン業務で体力も使わないので、業務内容を覚えれば比較的楽に働けるでしょう。

採血スキルは必須であり、対象者の人数が多くスピードも求められるため、採血が苦手な人やブランクにより自信がない人は難しいかもしれません。

保育園

保育園での主な役割は、園児の体調管理、ケガや病気の応急処置、アレルギーの対応、園内の衛生管理などです。

仕事内容にこだわりがなく、まずは復職することを目的とするなら、医療行為がほとんどないので働きやすい職場でしょう。

看護師の配置は一人だけの場合が多いので、困ったときに相談できる相手がおらず、自分だけで判断し対応することに不安を感じるかもしれません。

ブランクのある50代看護師におすすめの働き方

給与が高い職場で正職員として働けばガッツリ稼げますが、長いブランクを経て復職した50代看護師がいきなり全力で働くのは、継続性を考えるならおすすめできません。

給与が高い職場は基本的に忙しいですし、正職員は責任業務を任されるため精神的なストレスも大きくなります。

まずはゆっくりスタートして、働き続けられる自信がついてから職場や働き方を変えていくのが長続きするコツです。

ブランクのある50代看護師におすすめの働き方
  • パート看護師として短時間だけ働く
  • 派遣看護師として勤務条件が合う職場で働く
  • 応援ナースや単発ナースとして限定的に働く

パート看護師として短時間だけ働く

正職員は1日8時間の週5日以上の勤務が一般的ですが、パートは短い勤務日数や時間で働くことができるので、最初は短時間だけ働いて体力の消耗を最小限にしましょう。

また勤務時間が限られることで、その時間内でできる比較的単純な業務が多くなり、また責任のある業務は免除されやすいので精神的にも楽です。

残業は基本的に正職員が担うため、パートの残業はほとんどありません。

働き方に柔軟性がもてるのがパートのメリットなので、まずはしんどくない範囲で働き始めて、ゆっくりと自分に合った働き方を見つけていきましょう。

派遣看護師として勤務条件が合う職場で働く

派遣看護師は「日勤だけ」「夜勤だけ」など、派遣先に働き方の希望を伝えておけば勤務条件が合った職場で働くことができます。

給与は時給制ですがパートよりも時給が高く、正職員並みに働いた場合にはボーナスは出ないものの、正職員と大差ないほどの年収を稼ぐことが可能です。

派遣会社が後ろ盾になっているので、もしサービス残業を強いられるなど勤務上で問題が生じたときには、派遣会社が派遣先に厳重注意をしてくれるので安心です。

まずは派遣ナースとして働いて、いずれは正社員になりたいという方は、正社員雇用につながる紹介予定派遣をおすすめします。

応援ナースや単発ナースとして限定的に働く

応援ナースは、病院や介護施設などの一時的な看護師不足を補うために原則6ヶ月の雇用期間で働きますが、看護師不足の職場で働くため即戦力となる経験やスキルを求められるかもしれません。

契約期間終了後も、勤務先の同意があれば継続して働けることができたり、常勤登用の可能性もあります。

イベントナースは、花火大会やスポーツ、コンサートなどのイベントに帯同し、救護室や託児所などで待機し、急病人やケガ人の対応をします。

基本的に仕事は一日で終了し、給料は日給1万円前後で時給換算すると1,200円前後になることが多いです。

どちらも働く期間や時間が限定されるので、苦手な人がいても適当な付き合いで済むなど、人間関係で悩むことが少なく気楽に働けます。

ブランクのある50代看護師が復職するときの不安

ブランクのある50代看護師が復職するときの不安は、ブランクの長さや看護師としての経験値などによっても異なりますが、以下のような内容が一般的でしょう。

ブランクのある50代看護師が復職するときの不安
  • 新しい知識や技術についていけない
  • 記憶力や体力が低下している
  • 仕事と家庭の両立ができない
  • 人間関係が悪かったりイジメられたらどうしよう

新しい知識や技術についていけない

医療は日進月歩なので、復職時に「医療機器の使い方が分からない」「聞いたことのない薬がある」「知らない処置をしている」といったことに戸惑いがちですが、療養病棟や介護施設などであればそれほど変化を感じることはありません。

持っている知識や技術に新しい学びをプラスすれば対応できるので、復職時のストレスはかなり少なくできます。

記憶力や体力が低下している

急性期などの忙しい職場では、新しく覚えることが尽きず常に体力も必要なため、頭もからだも休まるときがなく50代にはかなりしんどいでしょう。

どのような職場でも最初には覚えることは多くありますが、その後も継続して覚えることが多いのか、最初に頑張って覚えれば後は楽に働けるのかによっても働きやすさが違います。

ハナ☆ハナ

記憶力や体力の低下については努力や対策も必要ですが、職場選びで解決できることも多いです

仕事と家庭の両立ができない

今まで専業主婦だった場合、家庭中心の生活ではなくなることで最初は時間のやりくりにストレスを感じるかもしれませんが、徐々にその生活リズムに慣れていきます。

また年齢的に子育てがひと段落しても今度は親の介護が必要になるケースが増えてきますので、ライフステージに応じた働き方が求められるでしょう。

ハナ☆ハナ

家庭と仕事を効率的にこなせるとタイムマネジメント能力が身につくので仕事にも活かせます

人間関係が悪かったりイジメられたらどうしよう

人間関係がいちばん不安という人は多いでしょうが、こればかりは入職してみないと分かりません。

けれども、療養病棟や介護施設などのんびり働ける職場には以下のような傾向があるので、人間関係で悩むことは減らせるかもしれません。

  • 穏やかな人が多い
  • 年齢層が高い
  • 丁寧に教えてもらえる

ブランクのある50代看護師が復職に失敗しないためのコツ

ブランクのある50代看護師が復職に失敗しないためのコツ
  • ブランクがある50代看護師が活躍している職場を選ぶ
  • 復職支援の講習を受ける
  • 勤務体制に合わせた生活リズムにする
  • 転職サイトを利用する

50代やブランクがある看護師が活躍している職場であれば、そのような条件の人が働きやすい職場である証拠ですし、なによりも同じような境遇の同世代の看護師がいれば心強いでしょう。

知識や技術不足についての不安があるなら、各都道府県のナースセンターで開催されているブランクがある看護師向けの講習会の活用をおすすめします。

注射や採血、点滴、吸引処置など実践的なものや、フィジカルアセスメント、リスクマネジメント、看護記録、感染予防、急変時の対応など様々な分野の研修を基本的に無料で受けることができます。

ハナ☆ハナ

そして仕事を始めるにあたっては、仕事をする際の生活リズムにからだを整えておきましょう

不規則な生活を過ごしていた人は、起床や就寝、食事の時間など、仕事を開始した後の生活をシュミレーションしておくことで、新しい生活リズムにも早く慣れることができます。

また就職活動では転職サイトを利用することで、自分のスキルや経験、勤務条件に応じた求人情報を提供してもらえるだけでなく、求人先の人間関係や残業の有無など自分では調べることが難しい内部情報を知ることができます。

ハナ☆ハナ

入職後の「こんなはずじゃなかった」というミスマッチが起こりにくくなります

ブランクがある看護師(潜在看護師)の実態

最後にブランクがある看護師、つまり潜在看護師の実態について、かんたんにお伝えしておきます。

潜在看護師とは、 看護師免許を所持している65歳以下の人で、現在看護師として勤務していない人 、看護師資格を所持しているだけの状態の人を指します。

2012年時点での厚生労働省の調査によると、潜在看護師は約71万人いるとされており、看護師資格を所持している方の3分の1にあたると発表しています。

潜在看護師はブランクがあっても経験者とみなされたり、新卒採用に比べるとサポート体制が整っていない病院や施設が多いため、復職後の指導に対する不安を感じている人は少なくありません。

常に緊張感がある医療現場から離れた後に、再びそのような現場で働くことにストレスを感じてしまい、看護師以外の責任の少ない業種を選択する場合もあるでしょう。

ハナ☆ハナ

2025年問題では労働人口の減少や高齢者医療の必要性増加の影響により、看護師の大幅な不足が起こるといわれています

厚生労働省によると、2025年における看護職員の供給推計は約175万~182万人である一方で、需要推計は約188万~202万人と推計されており、2025年には約6万~27万人の不足が予想されています。

少子化の影響もあり新規養成者の増加は見込めず、潜在看護師の復職支援が強く求められているのです。

このような社会的背景から、他職種であれば再就職が難しい50代であっても、看護師であれば多くの求人先をみつけることができます。

ハナ☆ハナ

とはいえ、勤務条件が合う職場が見つからず復職したくてもできないという潜在看護師が多くいるのも事実です

まとめ:ブランクがある50代看護師はゆっくりスタートしよう

50代看護師は何年のブランクがあっても復職できますが、ブランクの期間が長いほど復帰するときのハードルは高くなるので、全力でスタートするとこけやすくなってしまいます。

まずは「ゆっくり過ぎるかな?」と思うくらいのペースから復職をスタートしましょう。

復職しやすい職場と働き方については、以下を参考にしてくださいね。

ブランクのある50代看護師が復職しやすい職場
  • 療養病棟
  • クリニック・病院の外来
  • 訪問看護ステーション
  • 介護施設
  • デイサービス・デイケア
  • 検診センター
  • 保育園
ブランクのある50代看護師におすすめの働き方
  • パート看護師として短時間だけ働く
  • 派遣看護師として勤務条件が合う職場で働く
  • 応援ナースや単発ナースとして限定的に働く

冒頭で、私の職場(特養)には10年以上のブランクを経て復職した50代・70代の看護師がいるとお伝えしましたが、他にもオペ室経験しかない50代、新卒2年目の40代など、経歴はバラエティに富んでいます。

介護施設は基本的にのんびりしており、ゆっくり丁寧に指導してもらえることができたので、不安なく働き続けられたようです。

ハナ☆ハナ

50代でブランクがあることをネガティブに捉えず、自分に合った職場と働き方を見つけていきましょう!

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