- パート看護師の時給相場を知りたい
- 同じ時間で働くならパートと正職員のどちらの方が稼げるの?
- 時給を上げるにはどうしたら良い?
パートとして働くなら、いちばん気になるのは時給ですよね。
私が求人票でまず最初に確認するのは時給です
たとえ好条件が揃っていても、時給が低すぎると働くことは難しいでしょう。
時給は働く地域や職場などによって違いますので、時給相場から逸脱していないかの確認が必要です。
この記事では、パート看護師の平均時給や時給に影響する要因、昇給を目指したい場合の対応方法について解説していきます。
パート看護師の平均時給は1,849円
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、パートで働く看護師の平均時給は1,849円、1ヶ月あたりの平均勤務日数は14.6日、1日あたりの平均労働時間は6.0時間となっています。
この平均日数と時間で単純計算すると、月収は161,972円、年収は1,943,668円になります。
調査対象者の平均年齢は49.4歳、平均勤続年数は7.2年ですが、パートは正職員と違って年齢や勤続年数が給与に反映されることは少ないでしょう。
ちなみに男女別にみると、男性は1,917円、女性は1,847円と格差がみられます。
全職種の平均時給は1,412円、全職種の女性の平均時給は1,312円なので、パート看護師は高時給なことが分かりますね。
令和4年の調査ではパート看護師の平均時給は1,817円だったので少しアップしています
パート看護師の時給に影響する要因
パート看護師の時給は地域の給与水準や施設規模、仕事の内容などによって差がみられ、都市部、規模の大きな施設、自由診療の職場の時給が高い傾向にあります。
地域の給与水準
大都市は人口が多くサービス需要もあるため、企業に限らず病院などでも収益が上がりやすく、また物価が高いことも影響し給与水準を押し上げています。
地方よりも大都市の方が給与水準は高い傾向にあり、最低賃金が最も高い東京都は1,113円、最も低い岩手県は893円と大きな開きがあります。
看護師の年収を時給換算した場合の都道府県別のデータでは、1位の大阪府は2,922円、2位の神奈川県は2,842円、3位の京都府は2,737円となっていました。
時給換算額は正職員の年収をもとに計算されるので、パート看護師の時給額より一般的に高くなります
施設の規模
規模が大きい施設は、知名度や信頼性の高さから利用者が多くなり、安定した収益があるため給与水準が高くなります。
そのため病院などは施設規模が大きくなるほど、時給は高くなる傾向があります。
施設の職員数別の時給は、10人~99人では1,767円、100人~999人では1,886円、1000人以上では1,906円となっており、10人~99人規模の施設だと看護師の平均時給の1,849円より低くなりました。
職場と働き方
訪問看護ステーションや、自由診療をメインに行っている美容クリニック・産婦人科クリニックなどは一般的に高時給の職場です。
また病院や介護施設で夜勤をしたり、夜勤専従で働く場合には夜勤手当がつくため、日勤のみで働くよりも時給が高くなります。
職場によっては昇給があったり、職務経歴や取得資格などの実績を時給に反映してくれる場合もありますが、あまり期待しない方が良いでしょう。
以前勤めていた職場にWOCナースがいましたが「この病院では必要のない資格」と言われ、資格手当の支給はありませんでした
正職員の平均時給は2,567円
正職員は時給ではなく月給で働きますが、もし時給換算にした場合にパートの時給とはどのくらいの差があるのでしょうか。
看護師の平均年収を時給に換算すると2,567円となり、これは平均年収(508.2万円)と1ヶ月当たりの平均労働時間(165時間)から算出しています。
平均年収にはボーナスが含まれていますが、平均ボーナス分(85万6500円)を引いて算出すると時給換算は2,134円となります。
ちなみにパート看護師の平均ボーナスは10万2400円なので、正職員とのボーナス格差はかなり大きいことが分かりますね。
パートではボーナスが出ないところも多く、私の職場もボーナスなしです
パートだと年齢による時給アップはわずかですが、正職員では年齢とともに確実にアップするので、50代後半が最も高く2,765円となります。
またパートと同様に、規模が大きい病院や施設ほど時給換算額が高くなる傾向がみられます。
パート看護師が昇給したいなら時給交渉か転職
「時給以外の条件は良い職場なんだけど…」「せめて平均時給はほしいけど昇給は期待できない」など、時給に対する不満を抱えている人は多いでしょう。
時給が1年で10円ほどしか上がらないような職場がほとんどなので、たとえ職場の人間関係や仕事内容に満足していても、あまりに低い時給では働き続けることは難しくなります。
正職員のように勤続年数と年齢に応じて昇給していくシステムではないパートの時給は、どのようにすれば高くなるのでしょうか。
結論としては時給の高い職場に転職するのが手っ取り早くて、いちばんおすすめです。
でも「今の職場は居心地が良いので働き続けたい」などの理由で転職が難しいなら、時給アップを交渉するしかありません。
職場に付加価値を提供できるようなスキルや資格をもっていたり、職場が提示する条件(勤務時間を増やす、夜勤をするなど)を受け入れると、交渉次第で昇給できる場合があります。
とはいえ他のパート看護師の手前、大幅な時給アップは難しいかもしれません
転職予定があるなら転職サイトを利用して時給交渉をするのもアリです。
時給など給与に関する希望条件は自分では言いにくいですし、交渉に慣れている担当コンサルタントにお任せする方が話がスムーズに進みます。
まとめ
- パート看護師の平均時給は1,849円
- 正職員の時給換算額は2,567円
看護師の平均時給は1,849円ですが、働く地域や施設の規模、働き方によっても金額は大きく異なります。
また正職員の時給換算額とは大きな差があるため、パートと正職員では勤務条件が違うので仕方ないと理解していても不満を感じる部分もあるでしょう。
「今の職場の時給では不満」「もっと時給が高いところで働きたい」と考えるなら、時給に影響する以下の要因を解決するしかありません。
- 地域の給与水準
- 施設の規模
- 職場と働き方
たとえば「給与水準の高い地域で」「規模の大きい病院で」「夜勤専従で働く」であれば高時給が期待できるでしょう。
でも実際には生活の事情もあり難しい場合がほとんどなので、時給相場を逸脱した低時給で働くことなく、可能であれば時給交渉や転職を検討しながらベストな職場を探していきましょう。
将来的にパートではなく正職員として働くことができれば、いちばん高時給といえます
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