- パートでもボーナスや退職金はもらえるの?
- パートと正職員では支給額にどのくらい差があるのだろう
- 支給されることが多い職場や働き方はある?
正職員の看護師であれば当然のようにもらえるボーナスや退職金ですが、パート看護師の場合はどうなのでしょうか。
結論から言うと、パート看護師はもらえないケースが多いです。
ボーナスや退職金を支給するかについては雇い主が自由に決めることができるので、給与のように確実にもらえるものではありません。
どうせ働くなら退職金が支給される職場の方が良いので、まずは雇用契約書や就業規則を見て、支給の有無をきちんと確認しておきましょう。
しかしボーナスも退職金も勤務先の業績によっては大きく減額されることがあるので、期待しすぎるとガッカリする結果になりかねません。
雇用契約書に「ボーナスの支給なし」と記載されていても寸志程度はもらえる場合があります
この記事では、パート看護師のボーナスと退職金の実際について解説し、現役のパート看護師である私の現状についてもお伝えしていきます。
パート看護師はボーナスや退職金がもらえないことが多い
残念ながらパート看護師にはボーナスや退職金が支給されない場合が多いです。
パートや正職員など雇用形態に関係なく、支給することが法律で定められておらず、たとえ支給されても固定した金額ではないので、ボーナスや退職金をあてにして生活費や老後の予算を組むのは危険かもしれません。
ボーナスを支給するかどうかは勤務先の方針によるので、パートであっても支給される可能性はありますが、仮に支給されたとしても正職員よりは少ないでしょう。
業績が安定しているからこそ支給されるものなので、経営状態が悪化すればボーナスを支払う余裕なくなり、場合によっては全く支給されない可能性もあります。
ボーナスや退職金を支給する制度がある場合には、その要件を就業規則に記載することが労働基準法によって定められています。
パートであっても正職員と同じ仕事内容であれば、同一労働同一賃金なので待遇に差があってはいけませんが、実際には大きな格差があり、正職員とパートでは異なる就業規則を設けていることがほとんどです。
一般的には規模が大きい施設ほど支給する制度が整っています
パート看護師のボーナス事情
ボーナス(賞与)とは、毎月の給与とは別に支給される一時金のことで、職場によっては「特別手当」と呼ばれることもあります。
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、パートで働く看護師の平均年間ボーナスは約10.2万円となっています。
パート看護師の1ヶ月あたりの平均勤務日数14.6日、1日あたりの平均労働時間6.0時間から単純計算すると月収は161,972円なので、月収の約0.63ヶ月分がボーナスの平均金額ということになります。
正職員の平均年間ボーナスは約85.6万円で、基本給の2.8~3ヶ月分くらいが一般的です。
パートは正職員に比べて勤務時間が短いため支給額が少ないのは当然ですが、勤務時間に対する支給額の割合をみると、正職員とはかなり格差があることが分かります。
同一労働同一賃金の観点からみると少し寂しくなりますね
とはいえ、パート看護師はボーナスがもらえない場合がほとんどなので、支給されるだけでも恵まれているといえますし、職場によってはボーナスの代わりに寸志を渡す場合があります。
ボーナスの支給額の決め方には「基本給の〇ヶ月分」「査定基準に応じて決める」といったものがあります。
ボーナスの査定基準となるのは一般的には勤務態度や業績、能力などですが、パートのボーナスは一律の金額で支給されることが多いようです。
ボーナス支給については法律による規制はなく、ボーナスの有無や金額、回数などはそれぞれの勤務先が自由に決めることができます。
つまり正職員であってもボーナスが確実に支給される保証はないので、あまり期待し過ぎない方が無難と言えます。
職場の業績悪化によって支給額が減ることはよくあります
パート看護師の退職金事情
パート看護師には退職金が支給されない場合が多いためか、パート看護師の退職金の金額についてのデータは見つかりませんでした。
そのため看護師も含めたパート全体の退職金の支給の実際について見ていきます。
厚生労働省の「令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査」によると、正職員と職務が同じパートの退職金などの支払い状況は以下のようになっています。
正社員と職務が同じパートの雇用管理の状況
「支払っていない」が58.7%もあり、パートとして働く立場としてはショックな数字です
正職員と職務が同じパートでもこの割合なので、「勤務時間が短い」「責任業務が少ない」といった条件で働いている場合には、さらに支払い状況はシビアかもしれません。
パートが退職金の支給対象になる条件としては、勤務先が定めた勤務年数(3年以上が多い)を超えており、正職員と同様の労働条件(勤務時間が長く同等の責任業務を担っている)で働いていることなどがあります。
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、退職金制度がある医療・福祉関係の職場の割合は87.3%です。
正職員の退職金の平均額については以下を参照ください。
3年目 | 約30万円 |
5年目 | 約50万円 |
10年目 | 約250~300万円 |
20年目 | 約450~600万円 |
30年目 | 約800~900万円 |
退職金の金額は勤務年数や勤務先によってかなり差があり、規模の大きい病院や公務員の相場は高い傾向で、病院と比べると介護系の施設は低くなっています。
勤続年数が3年以内の退職では支給されなかったり、年度や勤続10年の区切りで金額がグッと上がることが多いので、退職のタイミングにも注意しておきましょう。
ボーナスと同様に退職金の支給は法律で定められていないので、勤務先次第ということになります
パート看護師である私のボーナスと退職金
私は特養でパート看護師として勤務していますが、ボーナスも退職金もありません。
しかし時給が相場よりもかなり高額なので、ボーナスや退職金がない代わりに時給に上乗せされていると考えており、特に不満はありません。
正職員の人がボーナスをもらっているのを見ると、羨ましさはありますが…
私より長く勤めているパート看護師は、年に1回ボーナスが支給されていますが、私より時給は低いようです。
入職時期によって同じパートであっても雇用条件が異なる場合があるため、条件を比較されないように自分の雇用条件については口外しない方が良いでしょう。
「○○さんは時給が高いらしいね」と言われることもありますが「ボーナスが出ないのでトータルでみたら同じだと思いますよ」とサラッと返してます。
私としては、支給額が定まらないボーナスや退職金よりも、支給額が保証されている時給の方を重視しているので、今の雇用条件に満足しています。
どの部分に重点を置くかは人それぞれなので、決まった正解はありません。
私が実践している方法ですが、iDeCoを活用して自分で退職金を準備するのもおすすめですよ
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まとめ:パート看護師の収入は時給ベースで考えよう
ボーナスや退職金はパート看護師には支給されないことが多く、たとえ支給されても金額は変動する可能性があります。
そのため就職先を探すにあたっては、ボーナスや退職金の有無をいちばんの重要ポイントにするのではなく、まずは時給をベースに考えてください。
高時給なうえ、ボーナスや退職金がもらえれば最高ですが、そのような職場はなかなか見つからないでしょう。
「どうしてもボーナスや退職金がほしい!」と考えるなら正職員として働くのが確実であり、パートで働くことを望むならボーナスや退職金はあきらめる必要があるかもしれません。
パートも正職員もそれぞれにメリット・デメリットがあるので、自分に合った収入を得る方法や働き方を見つけていきましょう!
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