- 看護師は定年後も働き続ける人が多い?
- 年金だけでは生活費が不安い…定年後の収入はかなり減ってしまうの?
- 定年後の看護師はどんな働き方や仕事をしているの?
50代くらいになると、定年後の生活や仕事について考え始める人が多でしょう。
若い頃は「定年後は年金で悠々自適な生活!」なんて気楽に考えていたけど、実際に定年が近づくと「年金も貯金も足りないから、まだまだ働かないと…」と焦り出す人は少なくありません。
とはいえ、お金の有無にかかわらず、定年後も働き続けている看護師はたくさんいます。
看護師は免許があるかぎり働き続けられますし、「高齢者雇用安定法」により、60歳定年であっても65歳まで継続雇用される職場がほとんどです。
定年後は正職員としての採用ではなく、給与が下がってしまうデメリットはありますが、他職種に比べれば高収入であることには違いありません。
この記事では、定年後の看護師の雇用状況、おすすめの働き方や職場について解説します。

私が勤める特養では、60代どころか70代の看護師がいますよ
看護師は定年後も働ける


看護師免許に有効期限はないため、定年後でも雇ってくれる職場があれば働き続けられます。しかし、正職員以外での雇用になる場合が多く、給与所得は減ってしまう可能性が高いです。
定年後の60代は元気なまだまだ世代とはいえ、看護師の仕事はかなりの重労働です。定年後は、自分の健康やライフスタイルに重点をおいた働き方が、無理せず長く働き続けられるコツかもしれません。
60歳以上の看護師の雇用状況
厚生労働省による2020年の統計では、60歳以上の看護師の割合は11.8%となっています。これは1996年の3.8%と比較すると約3.1倍の増加です。
- 60歳以上の割合: 11.8%
- 65歳以上の割合: 2.66%
このデータから、60歳以降も多くの看護師が働き続けていることが分かります。
多くの医療機関では、60歳の定年後も再雇用制度などにより雇用を継続しています。定年以降も働ける職場が増えており、70歳以上の看護師向けの求人も多くみられます。
雇用形態については、フルタイムやパート、短時間勤務など柔軟な働き方があります。職場も病院やクリニックだけでなく、介護施設や訪問看護、健診センターなどさまざまな分野で経験を活かして働くことが可能です。



定年後も働く場所の選択肢が広いのはうれしいですね
看護師の定年は決まっていない
一般的に正社員の看護師の定年は60歳ですが、65歳を定年とする医療機関が増えています。しかし、公立病院など公務員として勤務する看護師は原則60歳が定年です。
2013年に制定された「高齢者雇用安定法」により、60歳定年であっても65歳まで継続雇用できる環境を整えることが企業に義務付けられました。さらに、65歳以降でも再雇用が可能なケースもあります。
看護師免許には年齢制限がないため、定年後も免許があるかぎり看護師として働き続けられます。とはいえ、本人の体力やライフスタイルなどによって働き方は異なってきます。



実際に60歳になってみないと分からない部分も多いですよね
定年後の看護師の収入
定年後の看護師の主な収入源は、給与所得と年金収入です。
給与
定年後の看護師の給与は下がる場合がほとんどで、60歳以降は平均月収が30万円を下回る傾向がみられます。
- 定年後は嘱託職員やパートとして再雇用されるため、給与システムが変更し基本給や手当が減る
- フルタイムではなく短時間勤務やパートでの雇用が増えるため、勤務時間の減少に伴い給与も減る
このような理由から、再雇用制度によって定年後も働くことができても、収入は減少してしまうことに。年齢別の平均年収は以下のようになっています。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 354.9万円 |
25~29歳 | 429.5万円 |
30~34歳 | 435.9万円 |
35~39歳 | 466.2万円 |
40~44歳 | 490.1万円 |
45~49歳 | 522.4万円 |
50~54歳 | 523.4万円 |
55~59歳 | 541.0万円 |
60~64歳 | 461.5万円 |
65~69歳 | 379.3万円 |
70歳~ | 383.6万円 |



60歳以降に一気に下がってますね
年金
国民年金や厚生年金の支給開始は原則65歳からなので、定年が60歳の場合には支給開始までの5年間は収入がない「空白期間」となります。
国民年金の満額支給額は2024年度で月額65,075円ですが、厚生年金に加入していた場合には国民年金に加えて厚生年金も受給できます。
厚生労働省の統計によると、40年間フルタイムで働いた場合の2024年度の厚生年金(国民年金を含む)の平均支給月額は約154,777円です。就業期間が短い場合や、パートタイムでの就業期間が長い場合は支給額がもっと少なくなります。
支給額は就業年数や給与水準、保険料納付状況などにより個人差があるため、最新の支給見込み額は日本年金機構の「ねんきんネット」で確認してください。



誕生月に毎年届く「ねんきん定期便」にも年金加入記録や年金見込額などの情報が記載されています
定年後の看護師の生活費
総務省による2022年の家計調査結果に基づき、60歳以降の単身者と夫婦世帯の平均的な生活費をまとめました。
年齢 | 単身世帯 | 夫婦世帯 |
---|---|---|
60-64歳 | 155,046円 | 279,024円 |
65-69歳 | 143,139円 | 261,123円 |
70-74歳 | 141,000円 | 259,000円 |
75歳以上 | 138,000円 | 241,000円 |
参考:総務省「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」
年齢が上がるにつれて生活費は緩やかに減少しています。60~64歳の生活費が高いのは、退職直後で活動的な時期であることが影響していると思われます。
ただし、これは平均的な金額であり、個人のライフスタイルや住んでいる地域、健康状態などによって実際の生活費は異なります。また、医療費や介護費用の増加など、年齢とともに予期せぬ支出が増える可能性もあるので注意してくださいね。



予防できる病気などで出費が増えないように、健康管理が大事です
定年後の看護師が働きやすい雇用形態


多くの医療機関では、60歳定年後も65歳まで継続して働ける再雇用制度を設けています。慣れた環境で働き続けるのには、以下のようなメリットがあります。
- 職場の環境や業務内容を理解しているため、スムーズに仕事ができる
- 同僚や上司との関係性ができているので、新たに人間関係をつくる必要がない
- これまでの経験やスキルを活かして即戦力になれる
- 新しい環境に慣れるストレスがない
定年をきっかけに転職する人もいますが、再雇用で同じ職場で働き続けるメリットは大きいです。今の職場に不満がないなら再雇用で働くのをおすすめします。
定年後の雇用形態として多い「短時間勤務」「パート勤務」「嘱託職員」の違いについて説明します。
特徴 | 短時間勤務 | パート勤務 | 嘱託職員 |
---|---|---|---|
勤務時間 | 1日4-6時間程度の固定勤務 | より柔軟な勤務時間の設定が可能 | フルタイムに近い勤務も可能 |
勤務日数 | 週5日程度の固定勤務が多い | 週2-3日など、より少ない日数での勤務が可能 | 週5日程度の勤務が一般的 |
雇用形態 | 正社員に近い | 非正規雇用 | 契約社員に近い |
福利厚生 | 正社員に準じた待遇を受けられることが多い | 限定的 | 正社員より限定的だが、パートより充実 |
責任と役割 | 正社員に近い責任を担うことが多い | 比較的責任が軽い業務を担当 | 経験を活かした責任ある役割を担うことが多い |
収入の安定性 | 月給制で安定 | 時給制で変動しやすい | 月給制で比較的安定 |
キャリアの継続 | キャリアを維持しやすい | 経験を活かしつつ、より軽い負担で働ける | 豊富な経験を活かせる |



定年後はゆったり働きたいならパートがおすすめですね
定年後の看護師が働きやすい職場


定年後は、これまでの経験を活かしつつ体力を求められない職場がおすすめです。
気持ちは元気でも、年齢とともに記憶力や適応能力などは低下していきます。定年後は再雇用ではなく転職を考えているなら、無理せず長く勤められそうな職場を選びましょう。
クリニック
休日や勤務形態が固定しているので、生活リズムが整いやすく、あまり体力を必要としないことがメリットです。
しかしスタッフが少人数のため一人あたりの業務量が多く、即戦力として働けることを期待されるので、思ったより忙しいと感じるかもしれません。
クリニックでは診療の補助以外にも受付や清掃、備品整理などの幅広い業務を行う場合があります。



病棟に比べて緊急対応などのプレッシャーが少ないです
訪問看護ステーション
訪問看護の利用者は病状が安定している方がほとんどで、病院に比べると医療的なケアは少ないものの入浴や排泄介助などの体力が必要な業務が意外とあります。
一人での訪問や夜間・休日のオンコールがあるため、最初は不安やストレスを感じますが、徐々に慣れていきますし、対応に困ったときには他の看護師や主治医に相談できるので心配はいりません。
訪問時間の制約はあるものの、自分のペースで患者にしっかり向き合った看護ができます。
介護施設
介護施設の看護師の主な役割は入居者の健康管理で、医療行為は施設で対応できる胃ろう管理や喀痰吸引、褥瘡処置などの限られたものになります。
基本的に医師は常駐しておらず、看取りや急変時の対応も看護師の重要な役割となるため、救急搬送などの医療的な判断を求められることがあります。また夜勤がない場合、夜間はオンコール体制で対応することが一般的です。



夜勤の有無によってからだへの負担が大きく違います
デイサービス・デイケア
介護施設と同様に利用者の健康管理が主な役割であり、在宅で生活している方が対象のサービスなので、ほとんどがお元気な高齢者で医療処置が必要な方は少数です。看護よりも介護を求められる場面が多いので、看護業務をしたいと思う人には不向きでしょう。
日勤のみの勤務形態なので夜勤やオンコールによるストレスがなく、規則正しい生活が送れるのは大きなメリットです。
健診センター
健診センターでは、健康な人を対象に健康診断や人間ドックを行っています。看護師は採血業務を担当することが多いですが、他に視力・聴力検査、尿検査、心電図検査、身長・体重測定などを行う場合もあります。
基本的にすべてルーティン業務で体力も使わないので、業務内容を覚えれば比較的楽に働けるでしょう。
健診は予約制なので1日あたりの利用者数が決まっており、イレギュラーなこともほぼ起きないので残業は発生しにくいです。



採血のスキルは必須です
定年後も働くことのメリット・デメリット


定年前に比べて収入が減るのは大きな痛手ですが、年金以外の収入源があると安心です。
夜勤など体に負担のある働き方は避ければ、退職後の「老け込み」をなくし、社会とのつながりややりがいを持てるメリットがあります。



自分が納得できる働き方がいちばん大事です
まとめ


看護師免許には有効期限がないため、雇用してくれる職場があれば定年後も働き続けられます。
しかし、定年後は再雇用となり雇用形態が変わる場合が多いため、収入は減るものと思っておきましょう。60歳以降は平均月収が30万円を下回る傾向です。
定年後の看護師が働きやすい雇用形態と職場については以下のとおりです。
定年直前に慌てないように、今から定年後の働き方について考えておきましょう。
- 短時間勤務
- パート勤務
- 嘱託職員
- クリニック
- 訪問看護ステーション
- 介護施設
- デイサービス・デイケア
- 健診センター



もちろん看護師以外の職業を選択するのもアリですよ!




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