【ブランクのある潜在看護師も安心!】復職におすすめの職場と働き方

コロナ禍で耳にすることが多くなった潜在看護師ですが、看護師免許をもっているけど看護の仕事に就いていない人は多くいます。

  • 看護師に復職したいけど何をすればいいか分からない
  • どんな職場がいいのか知りたい
  • 復職前に何を準備すればいいのか分からない
  • ブランクがあっても仕事についていけるだろうか

このように考えている潜在看護師は多いのではないでしょうか。

ブランク後の復職では、新しい医療機器や器具、薬剤などに戸惑うことも多く、古くなった知識やスキルの学び直しも必要になります。

ハナ☆ハナ

私は訪問看護ステーションに5年ほど勤めて再び病院に戻ったときには、新しく変わったことが多くあり学び直しが必要でした

今回の記事ではブランクのある潜在看護師が安心して復職できる職場と働き方について解説していきます。

目次

潜在看護師が多い理由

潜在看護師とは、 看護師免許を所持している65歳以下の人で、現在看護師として勤務していない人 、看護師資格を所持しているだけの状態の人を指します。

2012年時点での厚生労働省の調査によると、潜在看護師は約71万人いるとされており、看護師資格を所持している方の3分の1にあたると発表しています。

潜在看護師が多い理由としては以下のような原因が挙げられます。

  • 中途・経験者採用になるため、復職時のサポート体制が不十分
  • 新しい知識やスキルの不足、仕事についていけるか不安
  • 責任が重く、緊張感が強い医療現場で働くことのストレス

潜在看護師はブランクがあっても経験者とみなされるため、新卒採用に比べるとサポート体制が整っていない病院や施設が多いです。

また医療は日進月歩のため、ブランク中に知識やスキルが鈍ってしまったのではと不安になります。

常に緊張感がある医療現場から離れて、再びそのような現場で働くことにストレスを感じ、看護師以外の責任の少ない業種を選択する場合もあります。

看護師不足の問題

2025年問題では労働人口の減少や高齢者医療の必要性増加の影響により、看護師の大幅な不足が起こるといわれています。

厚生労働省によると、2025年における看護職員の供給推計は約175万~182万人である一方で、需要推計は約188万~202万人と推計されており、2025年には約6万~27万人の不足が予想されています。

少子化の影響もあり新規養成者の増加は見込めず、潜在看護師の復職支援が強く求められているのです。

引用元:看護職員就業状況等実態調査


看護師の退職理由として結婚・出産・育児が多いのは、シフト制が多く夜勤ができることを勤務条件とする職場が多いため、家庭の事情によっては働き続けることが難しくなるためと考えられます。

就業条件が合う職場が少なく復職したくてもできないという現状が、潜在看護師の数が増えている原因の一つかもしれません。

またライフステージの変化に応じて、再就職時にはパートやアルバイト、短時間正社員などの雇用形態を希望する人が多くなっています。

ハナ☆ハナ

私は自分の健康問題が理由で正社員だった病院を退職し、勤務時間が少ない介護施設のパート勤務を選びました

ブランクのある看護師が復職を目指すには

復職への第一歩は職場探しです。

実際に就職してみないとわからない部分はありますが、口コミや転職サービスに登録するなど、できるかぎりの情報収集は行ってください。

復職してその職場が合わなければ、病院であれば他の病棟へ異動する、介護施設であれば法人内の他のサービス施設に異動するという手段もあります

自分に合いそうな職場が見つかれば、無理なく働ける勤務条件かをしっかり検討し、交渉していきましょう。

ハナ☆ハナ

人間関係に悩んで退職を考えたときに病棟異動をすすめられ、結果的に異動先では人間関係に恵まれて楽しく働くことができた経験があります

復職にあたり、まずは以下の3つを行ってください。

  • 自己分析
  • 復職支援制度の活用
  • 転職サービスに登録

自己分析

まずは自分自身を客観的に見つめ直すために、自己分析が大切です。

自分の強みやキャリアを明確にして、復職したい理由や希望する職場、働き方についての考えをまとめておきます。

復職支援制度の活用

復職にあたっては学び直しが必要になりますが、勉強は独学よりも復職支援の活用をおすすめします。

看護職員就業状況等実態調査によると、離職中の看護師が再就職時に研修受講を希望する割合が76.1%に上る一方で、実際に受けた割合は19.1%です。

受けた研修内容としては「看護技術」「専門分野に関する知識・技術」「医療安全に関する知識」が多くなっています。

各都道府県にあるナースセンターでは、ブランクがある看護師向けの講習会を開催しており、注射や採血、点滴、吸引処置など実践的なものや、フィジカルアセスメント、リスクマネジメント、看護記録、感染予防、急変時の対応など様々な分野の研修を受けることができます。

意見交換会など復職を目指す仲間たちと交流ができ、モチベーションアップにもつながるのでぜひ活用してください。

履歴書・職務経歴書の作成方法、面接対策まで研修内容に含まれていることもあり、かなり手厚い内容になっていますが、基本的に講習料は無料です。

ハナ☆ハナ

ぜひ居住地のナースセンターのホームページを確認してみてください

転職サイトに登録

看護師専門の転職サイトに登録しておくことで、求職者のスキルや経験を踏まえた求人情報を提供し、面接や条件交渉の調整も行ってくれます。

ハナ☆ハナ

登録後は担当コンサルタントが、カウンセリングから入職までサポートしてくれます

転職サイトを利用することで、求人先の人間関係や残業の有無といった自分では調べることが難しい詳細な情報を知ることができます。

さらに履歴書や職務経歴書の作成のアドバイス、面接対策の指導や面接日の調整なども行ってくれるので、効率的に転職活動を進められるでしょう。

ブランクのある看護師におすすめの職場

復職者への研修やプリセプター制度が整っている職場を選びましょう

復職したものの経験者扱いされて、サポートがなく放置されることがないように、事前に就職後のサポート体制について確認をしてください。

またブランクがあると体力が落ちていたり、仕事の感覚が戻るまでに時間がかかるので、以下のような職場から始めてみるのがおすすめです。

  • 介護施設
  • 慢性期・療養病棟
  • クリニック
  • 健診センター
  • 保育園

介護施設

介護施設の看護師の主な役割は入居者の健康管理です。

医療行為は少なく、施設で対応できる胃ろう管理や喀痰吸引、褥瘡処置などの限られたものになります。

長期に入居される方や要介護度の高い方が多いため、看取りや急変時の医療対応も重要な役割となりますが、基本的に医師は常駐していないので、急変時などは看護師の判断が求められます。

夜勤のない介護施設では、夜間はオンコール体制で対応することが一般的です。

ハナ☆ハナ

ある程度の規模の施設であれば看護師の数も多くサポート体制が充実しています

慢性期・療養病棟

状態が安定した患者が入院する病棟で、入退院や医療行為は一般病棟に比べると少なく、ルーティン業務が多いので仕事内容を覚えやすいでしょう。

3~6ヶ月くらいの長期入院の方が多いので、患者にゆっくりと関わることができます。

しかし入浴介助やおむつ交換などの身体介護が多く、意外と体力が必要です。

クリニック

休日が固定しており、日勤のみであることが大きなメリットです。

クリニックはスタッフの人数が少ないため、診療の補助以外にも受付や清掃、備品整理などの幅広い業務を行う場合があります。

クリニックの診療科目によって求められる看護スキルは異なりますが、採血や注射・点滴のスキルは必須です。

健診センター

健診センターでは、健康な人を対象に健康診断や人間ドックを行っています。

看護師は採血業務を担当することが多いですが、他に視力・聴力検査、尿検査、心電図検査、身長・体重測定などを行う場合もあります。

基本的にすべてルーティン業務で体力も使わないので、業務内容を覚えれば比較的楽に働けるでしょう。

ハナ☆ハナ

採血のスキルは絶対に必要なので「採血が得意!」という人にはおすすめです

保育園

保育園での主な役割は、園児の体調管理やアレルギーの対応、園内の衛生管理などです。

医療行為はほとんどないため看護師としてのスキルアップは難しいですが、まずは復職することを目的とするなら、とても働きやすい職場でしょう。

小児科経験は必須ではありませんが、子ども好きであることは必要です。

ブランクのある看護師におすすめの働き方

離職前は正職員でフルタイム勤務だったとしても、復職時には自分自身や家庭の状況が変わっていて以前と同じように働けるとはかぎりません。

子育てや家事との両立、介護などの理由でフルタイム勤務が難しい場合は、以下のような期限付きや短時間の勤務から始めていくのが良いと思います。

  • パート
  • 派遣ナース
  • 応援ナース
  • 単発・イベントナース

パート

常勤勤務は1日8時間の週5日以上勤務することが一般的ですが、パート勤務は週に数日や日に数時間の勤務など、短い勤務日数や時間で働くことがほとんどです。

勤務時間が限られているため、その時間内でできる比較的単純な業務が多くなり、また責任のある業務は免除される傾向があります。

派遣ナース

仕事内容は派遣看護師も正職員の看護師も変わりません。

日勤だけ、あるいは夜勤だけの働き方を選ぶなど、派遣先に自分の希望を伝えておくことで、勤務条件が合った職場で柔軟な働き方ができます。

給料は時給制ですが、同じ時給制のパートよりも時給が高いため、月収はかなり高めになります。

今は派遣ナースとして働いて、いずれは正社員になりたいという方は、正社員雇用につながる紹介予定派遣もおすすめです。

ハナ☆ハナ

人間関係のトラブルが起きにくい、責任が重い仕事や委員会は免除される、残業が少ない、などは派遣看護師の大きなメリットです

応援ナース

応援ナースは病院や介護施設などの一時的な看護師不足を補うために、原則6ヶ月の雇用期間で働きます。

契約期間終了後も、勤務先の同意があれば継続して働けることができたり、常勤登用の可能性もあります。

看護師不足の職場で働くため、即戦力となる経験やスキルを求められる場合があるので、事前に確認が必要です。

単発・イベントナース

イベントナースは花火大会、スポーツやコンサートなどのイベントに帯同し、救護室や託児所などで待機し、急病人やケガ人の対応をします。

基本的に仕事は一日で終了し、給料は日給1万円前後で時給換算すると1,200円前後になることが多いです。

看護師の復職に関連したデータ

看護師は再就職するにあたり、どのようなポイントを重視しているのでしょうか。

引用元:看護職員就業状況等実態調査

看護職員就業状況等実態調査によると、再就職時に重視しているポイントは労働時間に関することが多く時間外労働や休日労働の免除、夜勤の免除又は夜勤回数の軽減、短時間勤務などの希望が目立ちます。

求人情報から就業時間や時間外労働時間の条件は確認することができますが、実際に働いてみると「話と違う」ということは往々にしてあります。

そのようなときは我慢せずに職場にすみやかに申し出るか、それが難しい場合は紹介元の転職サービスやハローワークなどに相談しましょう。

またパートからの正社員登用制度や、正職員の募集でもパート勤務が可能な場合もあるので、気になる求人先があれば問い合わせてみてください。

ハナ☆ハナ

実際に働いてみることで働きやすい雇用形態や勤務時間、業務内容などがわかり本格的に復職するときの職場選びの参考になります

潜在看護師の復職には転職サイトの利用がおすすめ

潜在看護師が復職する場合は中途採用という形になりますが、このとき採用担当者が注目するのは、離職理由と復職理由です。

離職理由が人間関係やストレスであっても、ネガティブな表現はマイナスの印象をもたれてしまい採用に不利になるので、履歴書は前向きな文面を意識して書くようにします。

看護師経験は3年以上あると一人前とみなされることが多く、ブランクがあっても復職には影響しないことがほとんどですが、復職希望の理由はポジティブに表現し、長く働きたいという思いを伝えると好印象をもたれやすいです。

キャリアが短いから看護師としてのアピールポイントが思いつかない、という方は看護師という枠にとらわれず、コミュニケーション能力が高い、責任感が強い、行動力がある、協調性があるなど、仕事上で活かせる長所をアピールすると良いでしょう。

そして復職にあたっては転職サイトの利用をおすすめします。

転職サイトでは、担当コンサルタントがスキルや経験を踏まえた求人情報の提供、面接や条件交渉の調整、履歴書や職務経歴書の作成のアドバイス、面接対策の指導までしてくれます。

ハナ☆ハナ

ブランク後の復職には不安が多くありますが、担当コンサルタントがカウンセリングから入職まで伴走してくれるので安心です

おわりに

ブランク後の復職はとても不安です。

私も病院を離れていた5年間に、医療は思っていたよりも変化していて戸惑いました。

久しぶりの立ち仕事で足は浮腫んでだるいし、質問するときも「こんなことも知らないと思われるかな」と気後れしたりで結構つらかったです。

復職後しばらくは心身ともにしんどいと思いますが、必ず仕事の感覚は戻ってきます。

過度に不安になり過ぎず、でも慎重に、かつ学び直しをしながら、自分の就業条件や適性に合った職場をみつけてほしいと思います。

そして自力での求職活動や学びの機会をもつことが難しい場合には、転職サービスや復職支援の講習会を活用してみてください。

ハナ☆ハナ

看護師として一緒に働ける仲間が増えることを願っています

最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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